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秋と漫歩
作品を、もう少し知る
文章の流れ、本文から分かること、ことばと時代を短くまとめました。
文章の流れを振り返る
萩原朔太郎は、秋が好きな理由を、戸外を歩くのに向いているからだと書きます。趣味も旅行もほとんどしない一方、書き物をするとき以外は町を歩き回っています。行き先を決めない歩き方を「漫歩」と呼び、駅の待合室や東京の裏町、私鉄沿線の町へ出かけます。最後には、町を歩く時間と、一人で自由にいたい自分の性質を結びつけています。
本文から分かること
日本の四季のなかで秋が快適だという一般的な話は、冒頭だけです。二段落目で「特殊な個人的の意味」へ移り、町を歩く自分の日常と、自由についての話へ進んでいきます。
作者は「散歩」という言葉が自分には少し合わないとして、行き先も方角も決めず、考えごとをしながら歩く姿を説明します。その歩き方を「漫歩」、さらに自分なら「瞑歩」と書きたいと述べています。
家では一時間も退屈していられないのに、駅の待合室では三時間も座っていられるとあります。本文には、一人でいたい気持ちと、人の多い場所を眺めたい気持ちの両方が書かれています。
遠くへ旅行する準備は苦手でも、東京地図を持って裏町を歩いたり、私鉄に乗って沿線の町を見に行ったりはします。本文でいう旅は、遠くへ移動することだけではありません。身近な場所を歩き、知らない町に出会うことも、その一つになっています。
ことばと時代
- 漫歩
- 行き先を決めず、ぶらぶらと歩くことです。本文では、目的も方角もなく歩く自分の姿にいちばん近い言葉として使われています。
- 私設線
- 国や自治体ではなく、民間が運営する鉄道のことです。現在の「私鉄」にあたります。作者は私鉄に乗り、東京の郊外にできた新しい町を見に行っています。
- ルンペン
- もとはドイツ語で「ぼろ」を表し、日本では住まいや決まった収入を持たずに暮らす人を指した古い言葉です。本文では作者が、戸外を歩き続ける自分の性質をたとえるために使っています。
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