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瓶詰地獄
作品を、もう少し知る
三通の手紙の順番、兄妹が島で過ごした時間、古い手紙の文体を短くまとめました。
物語を短く振り返る
ある島の役場から、海洋研究所へ三本の瓶が送られます。第一の手紙には、救助船が来たのに、兄妹が死を選ぼうとする場面が書かれています。第二の手紙では、太郎とアヤ子が子どものころ無人島へ流れ着き、成長するにつれて互いへの気持ちと罪の意識に苦しむまでが語られます。第三の手紙は、幼い二人が両親へ助けを求める短い文章です。
本文から分かること
本文は「第一」「第二」「第三」の順に手紙を見せますが、出来事の時間は逆です。第三の手紙は最初の救助要請です。第二の手紙は島で過ごした年月を伝え、第一の手紙は救助船を見た最後の場面を伝えます。
第二の手紙では、島は食べ物に恵まれた「天国」のような場所として始まります。二人が成長し、罪の意識を強く持つようになるにつれ、同じ島が最後には「地獄」と呼ばれます。場所が変わるのではなく、二人にとっての意味が変わっています。
第三の手紙は片仮名が多く、短く幼い文体です。それを最後に読むことで、第一の手紙よりずっと前から、二人が救助を求めていたと分かります。
ことばと時代
- 候文
- 文末に「候」を使う、古い手紙や公文書の書き方です。冒頭の島役場から海洋研究所への文章は候文で、物語の外側に置かれた事務的な文書です。
- 懺悔
- 自分の罪を告白し、悔いることです。第一と第二の手紙では、兄妹が自分たちを罪ある者と考え、神や両親へ許しを求めます。
- 作品の発表
- 『瓶詰地獄』は、1928(昭和3)年10月に雑誌『猟奇』で発表されました。青空文庫版の底本は、1998年刊行の『夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓』です。
読んだあとに