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注文の多い料理店
作品を、もう少し知る
物語の流れ、扉に書かれた言葉、作品が発表されたときのことを短くまとめました。
物語を短く振り返る
二人は山奥で道に迷います。そこで見つけたのは、「山猫軒」という西洋料理店でした。扉に書かれた指示を、二人は店の作法や親切な心配りだと受け取ります。鉄砲や服を外し、体にクリームや塩をつけていくうちに、自分たちが料理されようとしていると気づきました。二匹の犬に助けられて東京へ帰りますが、くしゃくしゃになった顔だけは元に戻りません。
本文から分かること
最初の「注文」は、客が料理店へ出すものに見えます。扉を進むほど、指示は増えていきます。髪を整える。鉄砲を置く。クリームを塗る。塩をもみ込む。どれも店から二人への「注文」です。二人自身も「向うがこっちへ注文してるんだよ」と気づきます。
二人は冒頭で、鹿を撃って倒す様子を楽しそうに話し、死んだ犬を金額で数えます。山猫軒の中では、今度は二人が食べられる側です。狩る側と狩られる側が、途中で逆になります。
冒頭で死んだと書かれた二匹の犬は、終盤で扉を破って現れます。本文は、その理由を説明しません。山猫軒が消えたあと、店へ入る前と同じ「風がどうと吹いてきて」で始まる景色が繰り返されます。外の景色は戻っても、二人の顔だけは元に戻りません。
ことばと時代
- 注文
- 「注文」には、品物や料理を頼む意味があります。もう一つは、相手に希望や条件をつける意味です。題名は、客が料理を頼むことと、店が客へ条件を出すことの両方に読めます。
- 一分
- 二人が逃げようとした場面に、「戸はもう一分(いちぶ)も動きませんでした」とあります。一分間のことではありません。ここでの「一分」は「ごくわずか」という意味で、扉が少しも動かなかったことを表します。
- 作品の発表
- 『注文の多い料理店』は、1924(大正13)年12月1日に、同じ題名の童話集の一編として刊行されました。童話集には9編が収められ、宮沢賢治が生前に刊行した唯一の童話集です。刊行時の広告文でも、この作品は二人が料理店の経営者から逆に注文される話として紹介されています。
読んだあとに