読み終えました。
かすかな声
作品を、もう少し知る
断言から問答へ移る流れ、答えが次の文で変わって見える箇所、作品の発表時期を短くまとめました。
文章の流れを振り返る
前半では、信じること、敗北、成功、甘さについて、短い断言が続きます。そこから「生活とは?」で問答へ移り、「悪とは?」「自信とは?」「芸術とは?」といった問いに、語り手が一つずつ答えます。最後は、芸術は「その時の調子」でできるものだと述べて終わります。
本文から分かること
冒頭は「信じるより他は無いと思う」と始まり、信じて敗北しても悔いはないと続きます。その一方で、成功したいという気持ちも書かれています。
前半では、「共栄」にかぎ括弧を付け、それを支持するよう求めています。本文は、かぎ括弧のことばが何を具体的に指すかを説明していません。
後半は短い質問と返答で進みます。自信を「将来の燭光を見た時の心の姿」と答え、現在の自信は使いものにならないと続けます。そのあと、自分には自信があると答えます。どの時点の自信なのかは説明されません。
芸術は「すみれの花」、芸術家は「豚の鼻」と答えます。豚の鼻だけがすみれの匂いを知っていると続け、最後には芸術は「その時の調子」でできるものだと述べます。
ことばと時代
- 媚笑
- 相手にこびるような笑いのことです。本文では、敗北を「悪に媚笑する事」と答える場面に使われています。
- 燭光
- ろうそくなど、ともし火の明かりのことです。本文では、自信を「将来の燭光を見た時の心の姿」と説明しています。
- 共栄
- 複数のものが、ともに栄えることです。本文ではかぎ括弧付きで使われますが、何を指すかは書かれていません。作品は1940(昭和15)年に発表されています。
- 作品の発表
- 『かすかな声』は、1940(昭和15)年11月25日の『帝国大学新聞』に、最初の題名「独語いっ時」で掲載されました。
読んだあとに