読み終えました。
蜜柑
作品を、もう少し知る
物語の流れ、本文から分かること、ことばや時代の背景を短くまとめました。
物語を短く振り返る
汽車の中で、「私」は向かいに座った少女を見て、よくない印象を持ちます。少女が窓を開け、トンネルの先の踏切にいた男の子たちへ投げたのは、蜜柑でした。その光景を見た「私」は、ほんの短い間だけ疲れた気持ちを忘れます。
本文から分かること
少女は、車内で自分の事情を話していません。少女が奉公先へ向かう途中であることも、踏切の男の子たちが弟であることも、「私」の推測です。本文では、「一切を了解した」のすぐあとに「恐らくは」と続きます。
物語の最後は、疲労と倦怠を「僅(わずか)に忘れる事が出来た」という言葉で結ばれます。
ことばと時代
- 三等切符
- 当時の鉄道には一等・二等・三等があり、三等はもっとも運賃の安い区分でした。「私」が乗っているのは二等客車ですが、少女が握っているのは三等切符です。「私」は、少女が二等と三等の違いを分かっていないと考え、それを不快に感じています。
- 奉公
- 人に雇われ、その家の仕事をすることです。ただし、少女が奉公先へ向かうと考えたのは「私」です。少女は自分の行き先を話していません。
- 作品の発表
- 『蜜柑』は1919(大正8)年5月に文芸誌『新潮』で発表されました。翌1920年には、芥川竜之介の短編集『影燈籠』に収められています。
読んだあとに